この度の手前共の「後宮からの誘拐」の終演後、受付で複数のお客様から「キャスト、出演者の送り出しはないのか」とのご質問を頂戴しました。
それにお答えします。
オペラバフの公演では原則としてホワイエでの出演者によるお見送りはございません。
終演後に知り合いのキャストに会い感想や賛辞を伝えたい。心尽くしの差し入れの品、花束を直接渡したい。
その気持ちはよく分かります。
それに敢えて逆らう理由をご説明します。
舞台上のメイク、衣裳は舞台上の照明の中で映えるものでありお近くでご覧になってもけして美しいものではございません。どちらかと申しますと醜悪でございます。
舞台は一場の夢でございます。
それを美しいとお気に召したのであればそのお気持ち、ご気分をそのままお持ち帰りいただきたいのです。
現実にお近くでドウランを塗った顔、汗だらけの衣裳をご覧になればその夢は醒めてしまうでしょう。
また現場の問題としてメイクは鬚やウイッグ、被り物を外し、衣裳はダブルであれば次の日に備えてファブリーズをかけてアイロンをする仕事があります。
一刻も早く衣裳等を回収して次に備えなくてはなりませんので終演後の裏は戦場騒ぎなのです。
今はメール、ライン等で簡単に連絡が取れますので会場の外で衣裳を脱ぎメイクを落とした出演者とお会いいただきたく思います。
ご事情がありどうしても出演者とお会いになりたい方はちょっとお待ちいただくことになりますが楽屋にご案内します。
ただ終演後、楽屋はごった返しておりますので落ち着きませんのでその点はご了承ください。
以上勝手ではございますが手前共の考えをどうぞご理解いただけますようお願いいたします。
オペラバフ 制作
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