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オペラ「コシ・ファン・トゥッテ」あらすじ

 オペラの舞台は19世紀中頃イタリアの海辺の町です。原作ではナポリ郊外の海辺の別荘地で作曲したモーツアルトと同時代を舞台としています。

<一幕>
幕が上がると朝の港で人々が忙しく行きかっています。その一角にあるカフェにドンアルフォンソが現れ、誰かを待っています。そこにフェランドとグリエルモが現れます。三人は、女は一人の男に操を捧げられるのかと議論しています。二人はそれぞれの恋人であるドラベラ、フィオルディリージは操があると主張します。ドンアルフォンソは、では、本当にそうかどうか賭けをしよう、と提案します。
一方、フィオルディリージとドラベラの姉妹は、別荘の庭に張り出したテラスでお互いの恋人がとても素敵な人達じゃないと話し合っています。そこにドンアルフォンソが現れ、二人の恋人達の軍隊が戦場に赴くと話します。ドンアルフォンソの計略の発動です。そこにフェランドとグリエルモが水夫達と船で現れ、出征しなければならないと偽りの話をして、恋人達と別れを惜しみます。そして船に乗って去ってしまいます。
そこに台所からデスピーナが姉妹の為にホットチョコレートを運んできます。「女中なんて、いやな商売だわ、朝から晩まで働いても、こんな高いチョコレートは飲めないのよ」と嘆きます。そこに取り乱した姉妹がテラスに出て来てデスピーナに「恋人達が戦場に行ってしまう」と嘆きます。するとデスピーナは「男なんて誤魔化しの愛情しか持っていない。だからこちらも気安く愛しましょう」と歌い、姉妹を家の中にと誘います。
そこへドンアルフォンソが現れ、デスピーナを呼び出します。そしてこれからの企みに協力してくれたら報酬を出す、新しい男達を連れてくるので、出征した(フリをした)男達を忘れられるか試したいと提案します。デスピーナが承知をすると、変装をした恋人達が入って来て、「お知り合いになりたい、一目ぼれです」と迫ります。フィオルディリージは私の心を変えさせえる事は出来ないと歌います。グリエルモは「愛してください」と二人迫ります。姉妹はその迫りように、恐怖して室内に逃げ帰ります。男達三人は自分たちがやったことが面白くて笑い出してしまいます。そして恋人たちは自分たちが賭けに勝ったと確信し、フェランドは愛こそ全てと歌います。
入れ替わりに姉妹が庭に出てきて今の苦しい気持ちを嘆きます。それを庭の柵の陰から聞いていた恋人達は、姉妹の前に飛び出し、企てのお芝居の続きを始めます。毒を飲んだ振りをして地面に倒れます。それに騙された姉妹は、びっくりして本当に心配します。そこへ医者に化けたデスピーナがやって来て、偽の毒薬から回復させます。姉妹はそれに騙されて、少し恋人達が化けた異邦人にちょっと惹かれます。男三人はしてやったりと確信します。

<二幕>
幕開きは姉妹の家のテラス。二人は刺繍をしながら、二人の異邦人の事を話しています。ドラベラは、新しい男の出現に興味津々です。フィオルディリージはそれは道徳的に間違いだと思っています。デスピーナは女は年頃になったら男に人を良く見定めて、男を女の武器で引っ掛ける事だって知らなければなりませんと歌います。それに対し姉妹は疑問だらけです。少しドラベラの方が積極的にデスピーナの助言に従っても良いと考えています。そこに港に花で飾り立て楽師を乗せた船が着きます。そこには二人の異邦人も乗っていて、私達の思いを聞いて下さい。と歌います。そしてグリエルモはドラベラ、フェランドはフィオルディリージを散歩に誘います。ドラベラはグリエルモに迫られ、フェランドのペンダントをグリエルモから差し出されたハートのペンダントと交換してしまい抱き合いながら散歩に出かけます。一方フィオルディリージはフェランドと言い合いをしながら散歩から帰ってきます。新しい男の人と親しくするのは罪だはと歌います。残された二人のうちフェランドはフィオルディリージは貞節だった。賭けには勝ったと喜びます。一方ドラベラを誘惑出来たグリエルモの心は複雑です。そして其ことを明かしたグリエルモに対して嘆きます。グリエルモは女の心は浮気ばかり、と歌い舞台から去ります。そこへ姉妹とデスピーナがテラスに登場します。まだ躊躇しているフィオルディリージにドラベラは私は決めた、お姉さまも気持ちに素直に受け入れた方がいいと言い、室内に戻っていきます。残されたフィオルディリージはもう戦場の彼らのもとに行くしかないと歌いますが、そこにフェランドが現れそこにあった剣で「これで私の胸を刺してください」と歌い誘惑し、最後にはフィオルディリージはその言葉に屈します。それを陰から聞いていたグリエルモは怒って飛び出そうとしますが、ドンアルフォンソに止められます。フィオルディリージを部屋まで送って行ったフェランドは戻って来て、思い描いてきた女とは違ったと落胆します。デスピーナが現れ私の力で事はなった、と自慢して去ります。男三人は女とはこうしたもの、コシ ファン トゥッテ と歌い去ります。
場面は変わって姉妹の家の中の大広間、結婚式の準備を召使達が整え、姉妹と恋人達がテーブルに着くます。デスピーナが化けた公証人が用意した結婚証明書にサインをした直後遠くから小太鼓の音が聞こえ軍隊が帰って来た模様です。姉妹は慌てて男二人を隠します。そこに変装を着替えた二人が入って来て、二人の心変わりの証拠を次々あらわにします。姉妹は反省している、私達を殺して下さいと言い、何もかもドンアルフォンソさんが知っていると言います。男二人は、自分達が変装していたことを明かします。姉妹はドンアルフォンソに騙されていたと怒りますが、私に免じて二組の恋人達よ仲直りしなさい、と言ってこの教訓劇は幕となります。

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