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ドン・ジョヴァンニ演出上の時制の問題

オペラバフは2026年4月にモーツァルトのドン・ジョヴァンニを上演いたします。どうぞ御贔屓の程宜しくお願い致します。

さて今回は演出上のちょっとした問題点を挙げてみます。
時制の問題があります。
これ案外盲点なんです。モーツァルトの時代の芝居では朝から晩までの24時間の時制で芝居をまとめるお約束がありました。

ダ・ポンテ三部作のフィガロの結婚とコシファントゥッテはその原則に則っています。ただこのドン・ジョヴァンニは困った問題があります。
冒頭の騎士長の館の場が夜で次のドンナ・エルヴィーラとドン・ジョヴァンニが鉢合わせする街頭の場は夜か朝かということになります。
朝という設定にして明るい照明の下ででやる演出が多いのですが夜からいきなり朝になっちゃうのはどうかと思うのです。
夜も明け方に近かったのだとすれば筋は通るのですがここで疑問が持ち上がります。

ドンナ・エルヴィーラはブルゴスから旅をして目的地に到着したところでドン・ジョヴァンニとレポレっロに鉢合わせという設定ですがまず朝と仮定いたします夜通し馬車で走ってきたことになります。
当時追い剝ぎや盗賊が跋扈する中をそのような危険なことをしたでしょうか?
現代であれば飛行機で早朝着くことは当たり前ですがこれは無理があります。
もう一つは朝で日が昇り明るい中でドン・ジョヴァンニがかつて付き合っていた女を見誤るでしょうか?

やはりこの場面は夜としたほうが解釈上すっきり致します。
要するに冒頭の二つの場面は序幕的に扱い別の日したほうが筋が通ります。

次の場面、マゼットとツェルリーナの登場を朝として次の日の朝までとすれば良いのです。
ではこれは冒頭の二つの場面の次の日なのでしょうか?
ここでも無理が生じます。

騎士長は殺害されて墓に銅像が建てられます。銅像付きの立派な墓はヨーロッパの墓地へ行けば観ることが出来ますが果たして次の日にすぐできるものでしょうか?これはまず不可能でしょう。
ここは少なくとも3週間後あるいは1カ月後としたほうが妥当でしょう。
この時制の問題はどの公演を見ても曖昧です。

私の解釈ですとレポレッロはカタログの歌を夜の暗い中で歌いドンナ・エルヴィーラはカタログをカンテラや蠟燭の下で読むことになります。
またドン・ジョヴァンニは騎士長を殺したことを忘れようとしていた頃の事件となります。
それが真実だと考えています。

まだ演出上の問題はあるのですがひとまず時制のことを取り上げてみました。

 

公演チケットのお申し込みはこちら -ドン・ジョヴァンニ

 

 

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