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And now Mozart

現代においてあらゆるオペラを演奏するに当たり、プロ、アマチュア問わず演奏家はモーツァルトを勉強しなければなりません。
これは絶対に避けては通れません。

ヴェルディ、プッチーニから現代作曲家に至るまでの全てと申し上げても過言ではない程の作曲家が影響を受けており、ヴァーグナー以降でもR・シュトラウスのように新しいスタイルを確立しようとして逆にモーツァルトに立ち戻った作曲家も多数存在します。

このように重要なモーツァルトですが日本での現状は惨憺たるものです。

日本の教育事情なのか、日本のオペラ界の風潮なのか、歌手たちは音楽大学でモーツァルトのオペラを勉強してもアリアやハイライトのみで、デビュー後は全くやる機会がないのが現状です。
また上演するにしてもレチタティーヴォを抜いてしまう公演が多いのです。

オーケストラに至りましては、序曲は演奏したことはありますがオペラ全曲を生涯一度も演奏せずにキャリアを終える方も大勢いらっしゃいます。

当然指揮者も同じで私自身このコジ・ファン・トゥッテをこの先何回振れるのでしょう?

これではいい演奏ができないことが容易に想像できます。
これは大変不幸なことであり、日本のオペラ界にとりましては深刻な問題であります。

私はこの風潮に一石を投じたいと考えています。

今回は1回公演ということもあり、コジ・ファン・トゥッテという作品に真摯に向き合い稽古の貴重な体験を歌手の皆さんと共有しております。
音の立ち上がり、音符の処理等に時間をかけてモーツァルトの様式感に拘って稽古を進めております。

是非公演にお運びいただき忌憚のないご意見をいただければと思います。
心よりご来場お待ちしております。


【指揮者】伊藤 馨
東京音楽大学卒業。指揮法を小林研一郎氏に師事。 G.フォーレ『レクイエム』を指揮しデビュー。
J.マスネ『マノン』『ウェルテル』、C.グノー『ロメオとジュリエット』、F.チレア『アドリアーナ・ルクヴルール』、G.プッチーニ『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』、W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』『コジ・ファン・トゥッテ』『バスティアンとバスティエンヌ』、G.ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』、G.ドニゼッティ『愛の妙薬』、G.C.メノッティ『助けて、助けて、宇宙人がやってきた!』、池辺晋一郎『てかがみ』、J.ブラームス『ドイツ・レクイエム』、S.ドブロゴス『レクイエム』、E.エシェンヴァル『Trinity Te Deum』(日本初演)、J.ハイドン『天地創造』、J.B.ヴァンハル『レクイエム』(日本初演)『テ・デウム』(日本初演)、G.ロッシーニ『小荘厳ミサ』、G.F.ヘンデル『メサイア』、M.シャルパンティエ『クリスマス・オラトリオ』、A.オネゲル『クリスマス・カンタータ』等を指揮。いずれも好評を博す。
オペラを軸に宗教曲、声楽作品を中心にレパートリーを多く持ち、特に日本初演作品の公演に多く携わる。 また原語の明瞭性やその音楽に対する深い解釈と、卓越した指導力を高く評価され、各地の合唱団、オーケストラやオペラ団体から指揮者、音楽スタッフ、プロンプターとして招聘される。
Bizarre Opera常任指揮者、東京オペラプロデュース、江東オペラ音楽スタッフ。

 

 

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