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序幕の人々その三 作曲家

オペラバフは9月16日、17日に調布文化会館たづくり・くすのきホールにてR・シュトラウスのナクソス島のアリアドネを上演します。フレッシュなキャストでお送りします。
どうぞご来場、ご見物よろしくお願いします。

さて序幕の人々のその三は作曲家であります。

皆様は作曲家と申しますと誰を思い浮かべるでしょうか?
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンは定番でしょうがブルックナー、マーラーの人もいればブラームス、シューマンの人、ラヴェルやドビュッシーの人、ガーシュインの人もいらっしゃるかもしれません。千差万別で各々違った答えが返ってくるのではないでしょうか。

ナクソスの序幕には一人の作曲家が登場します。名前は付けられておりません。
まだ若くエキセントリックで夢想癖があり、野心に燃えていて音楽の他はあまり興味もなく浮いています。ただ少し才能はありそうです。

ズボン役としてはいい役です。メゾソプラノであれば一度は演じてみたい役なのではないでしょうか。(メゾソプラノと書きましたがソプラノでも歌うことがあります。)

さてホーフマンスタール、R・シュトラウスはこのキャラクターを創作するにあたり誰を思い浮かべたのでしょうか?

ホーフマンスタールはリブレットの中で、苛立ち爪を噛むという指示を出しています。
これはベートーヴェンの癖だったようです。

R・シュトラウスは、自分の思い通りにならない宮仕えの辛さの点では敬愛して止まないモーツァルトをイメージしていたのではとおっしゃる方もいらっしゃいます。

常に頭の中にメロディーが鳴っていてすぐに書き留めたくなるところは個人的にはシューベルトが思い浮かびます。
作曲家はメロディーを書き留める紙を音楽教師にもらいますがそれくらい持ってりゃいいのにと思います。

この三人の共通点はウィーン所縁の作曲家というところです。

この作曲家と言うキャラクターはウィーン生まれなのか地方出身なのか、出自はどうなのかは演じる人に良く考えていただきたいところです。

作曲家は若くて尖がっていますが歳をとるにつれて妥協を憶えて音楽教師のような世渡り上手なってしまうのでしょうか?
そうなってはいいけないという戒めのようなものをR・シュトラウスの音楽に感じます。

ただR・シュトラウスと言う人は世間智もあり世渡り上手で不幸にもドイツ第三帝国で重用されたために後年批判されましたがかなりの出世をいたしました。

彼はこのキャラクターに自己を重ねたのでしょうか?
それとも単に一つのカリカチュアとして描いたのでしょうか?
思えば謎で興味は尽きません。

この作曲家は怒り狂っている最中でもふといいメロディーラインが浮かぶ。あふれるほどの楽想に恵まれ表現したくてたまらない人です。

自分の世界と現実を言ったり来たりします。
それを演じるのが作曲者役の見せどころです。
ただエキセントリックに怒り嘆いているだけでは本来のこの役の面白さが出ません。
嘆く、夢見る、そして怒るその繰り返しを上手に見せないといけません。

ウィーンでの初演はロッテ レーマンが演じました。
どのような作曲家だったのでしょう?

 


ユリナッチの作曲家のプロマイドです。ウィーンのオペラ博物館で買いました。

 


80年代によく作曲家を歌ったシュミットです。これはラインオペラのプロマイドです。

 


オーストリアプライザーのR・シュトラウスのオペラ歴史的録音集です。ロッテ レーマンが歌う作曲家が一部収録されています。

 



公演チケットのお申込みはこちら - ナクソス島のアリアドネ

 

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