クナーベ達です。コラムの3人の童子にも書きましたがこのキャラクターに本来の少年たちを起用するのはほぼ不可能でしたので女声歌手にお願いしました。
子供ということは意識せず運命を司る女神たち、たとえば古代ギリシャ劇のデウスエクスマキナのような存在に位置づけました。
従いまして衣裳もギリシャ風の女神のものです。
演出の方からも彼女たちに子供ということは忘れるように指示が出ています。
この3名はどちらの陣営にも属さない物語を動かす狂言回しであります。
※クナーベ 室岡里菜
※クナーベ 小林可奈
※クナーベ 上島春菜子
※クナーベ 石井揚子
夜の女王です。夜の女王はザラストロには悪の権化のように言われますがマエストロがこのホームページに書いているようにモーツァルトは音楽的にはるかに良いアリアを2曲も与えました。
技巧的な1幕の登場のアリアと2幕の復讐のアリアはよくコンサートでも単独で歌われ聴衆に強烈な印象を与えます。
歌手の歌唱の見事さに心を奪われがちですが母親としての心情、本音が現れるのが登場のアコンパニャートです。
高貴な王子といえども見知らぬ若者に委ねなければならない母の辛さ、弱さを感じていただければと思います。
愚かではありますがこの夜の女王はとても魅力的のキャラクターです。
パミーナの父であるこの人の夫はどんな男だったのでしょう?
興味は尽きません。
※夜の女王 和田奈美
モノスタトスです。
ムーア人という設定で太った中年のおやじが黒塗りで道化のように演じる公演が多いのですがそれは違うと常々考えておりました。
大胆な解釈かもしれませんがすごい美青年だったのではないでしょうか。
自分の出自、肌の色のコンプレックスをばねにして出世はしましたが限界があり壁にぶつかり悩む男です。壁の向こうの花園にパミーナが居るのです。
あの娘と仲良くなればもう一段上に行けるかもしれないという幻想を見たのでしょう。
結局、破滅しますがこのキャラクターには目立つ衣裳にしました。イメージはおもちゃの兵隊であります。
オテッロの小型版とお考えいただければわかりやすいと思います。
オテッロは嫉妬で破滅しますがモノスタトスは己の出世欲と上昇志向に押しつぶられるのです。
※モノスタトス 根岸朋央
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