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コシファントゥッテというオペラ その2

※グリエルモ(吉永研二)


※デスピーナ(川合真桜子)

コシファントゥッテは名作です。その中でもアンサンブルの美しさは比類がありません。
全30曲の中で16曲が重唱です。

故にこの作品は音大等の授業でアンサンブルの教材。課題として演奏される場合が多くございます。
私もこのオペラを何度かやりましたが歌い演じていてこんなに楽しいオペラはありませんでした。
多分おやりになった方は共感していただけるのではないでしょうか。

コシファントゥッテはアマチュアからプロまで幅広くどなたでも楽しめます。
自分で歌ってもよし、観賞してもよしです。

ただこれを上手く聴かせ見せるにはかなりの技量とセンスが必要となります。
それにはレチタティーヴォがカギになります。

ダ・ポンテのイタリア語の台本をモーツァルトが楽譜に書いたように歌うように語る、語るように歌う。これが出来ればこのオペラはほぼ成功です。

このレチタティーヴォをマスターするには王道はありません。イタリア語を読み、辞書を引き、ピアノをたたき音を頭に入れていきます。
ある程度できるようになったらコレペティの先生に頼み見てもらいます。
その繰り返しですので根気がいる作業です。
マスターすれば今度は楽しくなってきます。声にいろいろ色を付けてお芝居することが出来るからです。

ここは悲しいのか嬉しいのか、この間、休符の意味は何だろうとかいろいろと考えることが多くなります。この作業が楽しいのです。

モーツァルトの凄いところは何度やっても飽きないというところです。
それは理解が深まるほど新たな発見があるからです。

遺憾ながら日本ではこのレチタティーヴォをやらずにナレーションでつないだりする公演が散見されます。
重唱、アリアのみを聴かせる形態です。
これはいけません。絶対にやってはいけません!
どうせやっても意味が分からないだろうという聴衆を愚弄する行為です。

レチタティーヴォ淘汰は不即不離であります。
ハイライトをやるのであればアリア、重唱前のレチタティーヴォからやるべきです。
レチタティーヴォは歌の助走や予備運動なのです。
これがないと歌手はかなり歌いにくいのではないでしょうか。

レチタティーヴォに慣れていないとたどたどしくて心もとないのですが聴いている立場として私は無いよりもそのほうがはるかに面白いと思います。
多分モーツァルトも笑いながらあの世から奮闘する歌手を眺めていることでしょう。

菜に
4も引かない、何も足さない。これがモーツァルト演奏の基本だと思いますがいかがでしょう。

オペラバフのコシファントゥッテでは時間の制約上カット部分はございますがレチタティーヴォはそのままです。
ソリストたちはただいま鋭意稽古中です。

どうぞよろしくお願いします。

公演チケットのお申込みはこちら - コシ ファン トゥッテ

 

 

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